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世界堂本店は新宿三丁目の二丁目寄りに今も昔もあるのだが(西口の郵便局近くにあるのは支店)、子供の頃は読売新聞の広告でよく見かけては、モナリザがびっくりしたようなパクリ絵できっとふざけたお店なんだろうと勝手に思っていた。上京してデザインの学校にいったため、世界堂には世話になるのだが、いまのビルになる前の旧店舗の頃はまだ胡散臭さを保持していたと思う。増築しまくりだったことがあとの火事では裏目に出るのだが、あの雰囲気のへんないかにもな店の後に博多天神へいったりしていたのを思い出す。絵の世界では世界堂の画材とか額のほうが充実していたが、当時デザイナー志望者の中では東急ハンズ渋谷店のヒエラルキーのほうが上だった。そのあととちくるって僕は漫画を書いていた時期もあるのだが、漫画志望者も、スクリーントーン(網点や模様のフィルムシール)などは世界堂の方が在庫は多かったにもかかわらずプレゼンハウスいづみや(現.Too)のほうを重宝していた。しかし.TooはMacのDTP関連販売やソフトウェアなど画材からちょっと業態がシフトしていってしまい、いまでは本業一筋でやってた世界堂のほうがこと画材に限れば強くなっている気がする。

たしか相当前に火災があって、ビルになったと記憶しているが(火災は1990年2月24日)、いまのビルになってからはすっかり毒が消えてテレビ朝日の「お願いランキング」あたりにも出るようなお店になってしまったが、まだ店頭のフラッグにあのモナリザはいるんだね。そういう意味では安心するね。