八丈島より八丈小島を眺める。あんなけわしい所にかつては人が住んでいたのだから恐れ入る。今、小島は無人島なので定期航路はなく、漁船で渡るくらいしかない。一時期は山羊が繁殖していた山羊の島だったが、東京都によってだいぶ駆逐された。当時の学校の屋根も既に崩れ落ち、かつての集落も土台くらいしか見当たらないほどに朽ちている。なんにもインフラがないので宿泊はご法度だ。水も持っていかないと当然ない。いつか天気の良い日に渡って、昼寝でもしてみたい。海が荒れてなくて、5人以上揃えば、オプショナルツアーで山も登れるらしい。
映画「るにん」があったように、八丈島はかつての流人文化の島なので、僕は興味を持って渡った(資料館の本は全部読破してきましたよ)。人々はそれが伝えた文化に対して誇りを持っているし、かつてはかなり偉い人も流されてきていたのだそうだ。そして、別に元々先住の人がいたので全てがそうだった訳でもない。たいした施設もなくレンタカーがないと退屈かもしれないが、その退屈を楽しむのが離島の面白さ。このムードは昔も同じだったんだろうなぁと、ふと時代を超えた思いにも捕らわれる。飢饉の頃以外はそれなりには暮らして行けただろう。
しかし、いつかこういう言葉(るにん)も狩られていくんだろうなぁ、と一緒に行った人(♂)が言っていたのも忘れられない。
古い資料を読み解くと酷いのもあるよ。生類憐みの令の頃に、人が鳥を撃っているのを見ていただけで島流しになった人とかいるし。していたんなら流されるのはわかるが、見ていたらそんなことになってしまった人。ちょっとかわいそうだ。
あと、ほぼ現代だが、東京都の職員の人で、「東京都から補助をほとんど受けずに難道路を通して」村では英雄視されていたものの、東京都の中ではポジションを失ってしまい失職した人とかもいるし。元々予算が出なかったんだろうけど、それで職務遂行した人を村八分にしてしまう東京の公務員の世界も怖いな。
ここも東京である。品川ナンバー、在京全局は映り、FOMAも半分くらいは入るし(半分というのが怖いんだが。島の北半分で車が壊れたらどうしょうもないね)、あの無人の小島でさえ携帯は通じる。ソフトバンクの孫さんYahoo!BBをここまで引いたので、ブロードバンド開通は八丈島の歴史に残されている。光ファイバーや衛星のチカラはスゴイ、父島母島まで在京TV見れるもんね。ただ、放送の<地域概念>のせいで、せっかく(この先の父島母島あたりでは)衛星で流している電波も、東京都系の離島以外ではスクランブルがかかって見れないというのも残念な話だ。
離島インフラくらい東京都も東京都外も同じにしてあげればいいのに。
飛行機のおかげで、ジェットで45分もあれば羽田から着きます。中央線でちょっと郊外に出るのと同じ時間で着くなんて、驚きだ。村にはATMはみずほ1件とゆうちょしか無いので注意。
無駄知識:マイルを貯め年数十回搭乗すると、上客としてANA&スターアライアンスの会員ランクがグレードアップするのだが、そのために大島や八丈島などの短距離を回数乗り回す「ぐるぐる修行」というコトバがあるのをここに来てはじめて知った。